山本住職のシルクロード体験記
第4章 (第5部)
敦煌莫高窟 Mogao Caves
(現地2005年6月7日)

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甘粛省敦煌(トンコウ)DUNHUANG
莫高窟 Mogao Caves
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第323窟 (北壁の画)
遠近法を使って描かれており、幾つかの話の場面に分かれています。

右上には、二仏像を安置したお堂前で柄香炉を持ち供養する漢の武帝。

  つぎにご案内するのは第323、324、325号窟です。324は左側に、325は右側にと、第323号窟とつながっております。

  造営は初唐。

  内容が、今まで見た石窟とは全く違います。前回までご案内した窟は経変が主でしたが、この窟は、歴史においての出来事を絵に表現されています。


1) 中国の漢の武帝(馬に乗っている)
手前で御礼を言っている人物がシルクロードを最初に開き歩いた者、チョウケイです。 
138年に長安を西域へ向けて出発した際の絵が描画してあります。

馬が荷物を背負っており、 遠近法を使って描かれています。

絵図が進むと、大夏(アフガニスタン)の仏教徒の王様が迎えに来てくれている場面が描かれております。


2) 仏教を宣伝(教化)するために描かれている
絵の解説:
ある二人が、腰掛けて話をしています。
西域からの者が説得している画です。

そこへ、「何百キロ離れているところが燃えている」と急ぎの報告が来る。

口から雲を出し、その雲がお酒の臭いがする雨を降らせて鎮火したという内容。

また、別の箇所には、ある人物が帯のようなものを持っている様子が描かれています。解説によれば、それはその者が自分の腸を腹から出して洗っているところだそうです。それも、平気な顔をしています。

そこで、その光景を近くで見ていた人が説得され、信者になりたいと願い出ています。


牛の上におばあさんと孫が乗っている絵図があります。

さらに、仏教戒律が描かれております。



   この石窟の幾つかの部分は、ワーナーが剥がしてしまいました(現在、アメリカの博物館にある)。それを平山郁雄氏が現物を模写し再現しました。
石窟内の現状はその模写です。

  理由は定かではありませんが、窟内の図画一箇所が黒く変色しています。そこは、やはりワーナーが剥がそうと薬を塗ったのですが剥がさなかったところです。ワーナーは、24枚剥がしていったのでした。


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