山本住職のシルクロード体験記
第4章 (第8部)
敦煌莫高窟 Mogao Caves
(現地2005年6月7日)
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甘粛省敦煌(トンコウ)DUNHUANG
莫高窟 Mogao Caves
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第257窟
半跏の弥勒菩薩像
日本でも、最も良く見る弥勒菩薩の姿勢 |
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この石窟は、第257号窟です。この窟には【423】の番号も付けてありますが、それは1943年に模写に来た者に付けられた番号。ペローは1907年に既に番号を付けてありました。現在の第257号は、敦煌研究院(1944年2月設立)によって付けられました「正式」の番号です。
造営は北魏で大変古い石窟です。
この石窟に来る途中に、扉が開いていたので、ある石窟をのぞき込むことができました。それはとても小さい石窟で、入って両側に小さな穴があり、そこで座禅を組みました。その石窟こそ、敦煌莫高窟最古の窟で、僧 ラクソンが座禅を組むためにこの地に最初に造った石窟でした。(なんとラッキーなことでしょう!)
この257窟には大きな説法図があります。
中心柱の上部に柔らかい表情の半跏弥勒菩薩像があります。また、下の方には本生物語が描かれています。
石窟の後ろの部分には、すてきな絵があります。近くでは見られないのが残念ですが「鹿本生物語」があります。
もう一つは、1400年前の人が描がいた自殺の話です。
この石窟内の東の壁は完全に崩れてしまった経緯があり、陽差しが強かったので、前方の画の色彩はあせてしまっております。
時代によって、各石窟内の主題が変わりました。
なお、ここで見られるのは、両側から描かれ、真ん中で完結する1400年前の技法です。
『鹿本生物語』
ある者が鹿にいのちを助けられる。
「住んでいる場所は内緒にしてくれ」と鹿に頼まれ、約束して男は帰る。
国王、奥さんの為に鹿の皮が欲しかった。
鹿の居場所を教えた者には国土、財宝も分けるとおふれを出した。
助けられた男は、国王に知らせてしまった。
鹿の居場所へ国王は供の者と行き、鹿を追いつめた。
「人間はなぜ小さな約束をも守れないのか?」と涙する鹿の姿が描かれている。
王様は、恥ずかしくなったという話。
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次回をお楽しみに |
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