山本住職のシルクロード体験記
第4章 (第7部)
敦煌莫高窟 Mogao Caves
(現地2005年6月7日)

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甘粛省敦煌(トンコウ)DUNHUANG
莫高窟 Mogao Caves
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ちょっと一言:
  莫高窟現存の492ほどの窟で、大人20名が一度に入れる石窟は70足らずしかありません。そのため、残りの小さい石窟は、一般公開ができません。
第427窟
前室からその凄さは感じられる。

  この石窟は、第427号窟です。この窟も広いことがお解りいただけると思います。

  造営は随。しかし、この石窟の興味深いところは、前室の天井部分の柱に「宋 『乾徳八年』」とあります。実は、この前室が造られた頃、この敦煌の地は中央から見ると僻地でした。中央では「乾徳」年号は6年までしか続かなかったのですが、そのことがこの前室を造った人たちに伝わっておらず、そのため 「乾徳八年」と記してしまったのでした。なお、「乾徳八年」は西暦970年になります。

  この前室は、大変丈夫に作られています。

  寄進者は宋ゲンシュ氏。 五代から宋にかけてこの地域の一番の豪族でした。現代にたとえれば軍隊の司令官になり、身分が高い方でした。あちらこちらの洞窟の修復に資金を提供し、また 大仏殿も 宋氏が奥さんと一緒にお金を出しことが記して残っています。

  この第427号窟のご本尊は三世仏(過去仏・現在仏・未来仏)です。この仏像の特徴は、頭が大きく、胴体が短く、脚が長いのです。

  なお、上の写真で言えば、ちょうど真上の天井部分の柱に「宋 『乾徳八年』」とあります。また、下の写真が、外部から見た前室。屋根の部分が良く残っていてくれました。


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