山本住職のシルクロード体験記
第4章 (第10部)
敦煌莫高窟 Mogao Caves
(現地2005年6月7日)

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甘粛省敦煌(トンコウ)DUNHUANG
莫高窟 Mogao Caves
第148石窟
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第148窟 涅槃像
後部の大勢の塑像が設置されています。

(中国旅行パンフレットの画像)

  日本の仏教徒に親しみがあるのは釈迦涅槃像ではないでしょうか。莫高窟には大きい涅槃像が2体あります。一つはこの148窟に。もう一つは、普段未公開の第158窟にあります。

  この石窟は莫高窟のほぼ南端に位置し、盛唐(775年頃)の造営です。敦煌の豪族により寄進されました。

  この涅槃仏は15.8メートルです。他の涅槃像と同様に、仏の後方の壁に涅槃経変が描かれておりますし、天井には千仏があります。

  涅槃像ですから、石窟内も長方形になっております。

  この石窟の場所が低かったので、幾度も水害に遭っております。今でも壁面の泥が落ちそうな箇所が多く見られます。

  水の浸食は、涅槃像自体にも至り、今のお顔は清(シン)の時代に修復されているので、「大したことはない。」との意見を研究員から頂いたときに、比較する資料が手元になかったのでメモだけとりました。後で、資料を見ながらその評価にうなずかざるを得ませんでした。




第158窟の涅槃仏 (要特別拝観料)


  参考までに、中唐に造営された第158窟の涅槃像をお見せします。

   この158窟の涅槃仏は、世界一の涅槃像といわれております。お顔の表情が特にすてきで、昼寝をしているような安らかさが見られます。臨終を迎える凡人にとって安心を与える、なんと清和で満ち足りたお顔でしょう。

  後方のお弟子の姿は、直接壁画として描かれております。

  この涅槃像のお顔を第148窟の涅槃仏のお顔と比べますと、いかに148窟の涅槃像が度重なる修復により「ひどく」なってしまったことがご理解頂けると思います。

  なお、特別拝観料が必要ですが、今後の維持をして行く上で大切な財源なので気持ちよく「莫高窟サポーター」になって頂ければ敦煌研究院も大いに助かり、喜ばれます。




次回をお楽しみに
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